以前弟が、炊飯器の使い方が分からないといっていた。この話を聞いただけだと、ご飯も炊けない甘ったれのように思われそうなものだが、実は違う。彼はよくご飯を炊いてくれる。ただうちには、電気炊飯器がない。だから使ったことがない。だから納得。
うちでは圧力鍋でご飯を炊いている。近頃は土鍋を使うこともある。高級な電気炊飯器で炊かれたご飯を食べたことがあまりないので、どれだけおいしく炊けるのか知らないが、火にかけて炊いたご飯は、とにかくおいしい。しかも手間がかかるかと思えば、そうでもない。夕食の支度で台所に立つ時間があれば、その中で炊き上がってしまう。火のそばを離れるようなことがなければ、失敗もまずない。
そんな自分も、一人で暮らしているとき、炊飯器はもっていなかった。炊飯器を使った驚きの調理法をちらほら耳にすることはあるものの、基本的にご飯を炊くことしかできない炊飯器が、狭い台所にはちょっと邪魔に感じた。ただそれだけのこと。それでもほぼ毎日鍋でご飯を炊いて、食べていた。聞き方によっては、ぜいたく。味わいもまた、ちょっとぜいたく。
暮らし方は十人十色。必要になる日用品もまた、人それぞれ。炊飯器でケーキが焼けても、うちにはまだなくていい。