朝刊を読んで、ずいぶん笑った。うんざりしてしまう、荒廃した社会を伝える記事ばかり目につく昨今。なかなか愛嬌がある。
記事は、小学生に漢字の読み書きがどれだけ身についているか調査したという、その結果。1万5千人の子どもが対象になったそうだ。テストは誰しも嫌いなものだと思うが、余計にテストをすることになった子どもたちが少し気の毒にも思う。
そんな苦労の末に楽しませてもらった”珍”回答というのが、いくつか例示されている。それらが意外と的を得ていて、真っ向から否定できないと思えた。その回答と、感想をひとこと。

【読み】
食が細る→食がコマる 結構困ったことだったりする。
塩を足す→塩をオトす 卵をおとす、とかいうよね。
赤十字→アカじゅうじ 緑十字はミドリって読ませるよなぁ
試みる→タメシテみる 言い回しとしてはこの方が凝っているような。
肥をやる→ヒをやる 肥なんて、見たことも聞いたこともないでしょう、きっと。ぼくだってそうお目にかからない。常日頃から”肥”満が気になります。

【書き】
農家→農科 大規模な経営や野菜工場化が進んでいる状況だと、この方がしっくりくるかも。専業の人も少ないし、肩書きにもなりにくい。
遠足→園足 公園やら動物園やら、園に行くね、確かに。
さるかに合戦→さるかに勝戦 勝ちしかないってのが何とも豪気でたくましい。負けそうなときはリセットなんて奥の手がある。そして現代の戦争は、敵味方が死力を尽くして戦う”合戦”のように誠実じゃない。
家路を急ぐ→家事を急ぐ 孤食に分刻みの生活。急がなきゃならないのは家路より家事ですかね。遅れそうなときはメールで先手。
落書き→楽書き 楽しいよねぇ
人に仕える→人に使える 要はパシリということでしょうか。使(仕)える人より使える人になりたいものです。
すずしい木かげ→すずしい小かげ 身近にある木かげはみんな小さいよね。あんまり涼しくないかも。
田園地帯→電園地帯 秋葉原のことでしょうか。田園地帯が身近に少ないんだから、知らなくてもしょうがない!?
積乱雲→積乱運 人生波乱万丈。楽はできません。

他にも米作農家をコメ作農家と読んでしまうんだとか。でも、オトナでも結構いるんじゃないかと思う。オトナを対象にした調査がないのをいいことに、結構無責任かもしれない。あまり聞くことのない言い回しだとか、実感のもてない情景だとか、そういうところで身に付きにくいことがあるように思う。
15年前にも同じような調査をしているそうで、結局読み書きの力は落ちていないという。パソコンとかコミックの弊害が騒がれそうだけど、学力向上を焦ると、ふたたび詰め込み教育を助長することになりかねない。楽しく学んで欲しいと願うばかり。

と、面白おかしく読ませてもらった。しかし同じ朝刊で報道されている、非道な行為を明らかにする記事が一面に掲載されていなかったことが腑に落ちない。まだ知られていないことがあるかもしれない。ハンセン病患者に強いられてきた信じ難い行為の数々に、背筋が寒くなる。結局、笑いだけじゃ終われなかった。